「のど乾いた・・?」

敦子さんが冷蔵庫からコーラを出してくれた。二人でそれを飲んでから寝室の灯を豆球した。薄茶色の灯の中で裸になるとベッドに入り、いつも店でそうしている様に敦子さんと私は寝物語を始めた。

私は先ほどキッチンでしていた時の妄想を話した。

「どう思う?普通じゃない」

「うんん・・そんな事ない、広い世間だもの、そんな事もあるわよね・・」

「でも〇〇君とあたしだったら、お義母さんとお婿さんっていう感じかしら」

「お婿さん・・?」

「そう・・〇〇君はあたしの娘のお婿さんになるの・・」

私達はしばし架空の物語について冗談めかして話しあった。そしてこんな設定を考えてみた。

数年前、60代で夫が他界し、一人娘がやっと結婚した事で肩の荷が下りたと思っていた母。しかし、そんな母には心に秘めた思いがあった。恋人として紹介され今は娘の夫になっている婿どのに心惹かれてしまったのだ。

どこか似ている・・。義母は婿どのを紹介された時、面差しがどこか自分の初恋の人に似ていると一目見てそう思ってしまった。中学生の時心ときめかせた部活の先輩。話かける事も出来ずにただ遠くから見つめているだけだった。やはり自分の娘が選んだひとなのだ。自分の好みと似ていても不思議はない。でも・・娘の結婚相手に惹かれるなんて。なんて不謹慎なんだろう。義母は強く自分を恥じた。しかしそう思ってはみたものの、その恋心は日に日に強くなってしまうのだ。

そんな日々の中、第一子を妊娠した娘夫婦が実家である自分の家にしばらく滞在する事となった。いけないとわかっていても婿どのと一つ屋根の下で暮らせる日々に心ときめく義母。娘の目を盗んでつい婿どのを熱く見てしまう。だがふっと目が合うと恥ずかしくて顔をそむけてしまうのだ。

しかしそんな婿どのの方でも義母の存在を意識しているようだっだ。時々台所で洗い物をしている時など後ろから自分の体にまとわりつく婿どの視線を感じる時がある。もしかしたら娘の妊娠で夜の生活に満足できていないのかしら・・。義母はそんな事に気をまわしている自分に気付く。

「フフっ・・どうかしら」

「いいかも・・何かすごくエッチ」

私はそう言いながら敦子さんのお腹にある帝王切開の跡に触れてみた。縦に入ったその傷跡はかなり前のものらしい。しかし肉が筋状に盛り上ったその傷は今でも痛々しく見える。私はその傷に触れてみた。そして肌に接するか接しないかの微妙なタッチで花びらの方へと指を移動させた。

敦子さんがくすぐったそうに身をよじる。しかし感じるらしく、もぞもぞと腰を動かし私の指を自分の花びらの方に誘っている。私は分かっていながらわざとじらして太ももの方に指を移動させる。そしてそこから足の付け根に向かって線を描く様に再びそっーと指をはわせてみる。

敦子さんの肌にゾクゾクとする甘い快楽が走る。そしてついにこらえきれず私の手首をつかむとそれを自分の花びらにいざなった。ゆっくり腰を浮かし自分の陰毛に指を触れさせる。

「お義母さんも一杯どうですか?」

夜、風呂から出てきた婿どのがキッチンでビールを手酌で飲んでいる。娘は早く床についてしまい二人きりである。いやっあたしは・・などと最初は飲むのを断っていた義母だが、婿どのの残念そうな顔を見ると、じゃあ一杯だけといってビールをついでもらう。

季節は夏、義母は薄手の白いノースリーブにひざ丈くらいのフレアスカート。ビールを一口飲むと何かつまみはないかしらなどと言って甲斐甲斐しく席を立つ。ゆれるスカートの裾からのぞく白い膝頭に婿どのの視線を感じる。高鳴る鼓動。義母は婿どのがテレビの見ている隙に自分のブラウスの第二ボタンを外してしまった。

「これよかったら・・つまんで」

ありあわせのつまみをテーブルの上に置く。不自然に婿どのに近づきわざとかがむ。婿どの視線が胸の谷間に注がれる。第二ボタンをはずした事に少し恥ずかしさを感じはじめると婿どのはビールを一気に飲み干した。義母は次のビールを出そうと冷蔵庫の前に立つとその後ろ姿に婿どのが声をかける。

「お義母さんはスタイルいいですね」

「あら・・いやだ・・そんな、もう駄目よ」

スタイルをほめられ頬を赤らめる義母。婿どのはそれでもスレンダーだしきれいな足をしている。それに・・と言って口つぐんでしまった。しかししばらくして意を決した様にこう言った。

「それに胸も豊だし・・」

義母の中で何かがはじけた。沈黙の中でじっと見つめあう二人。婿どのの手が義母の腕をつかむ。強い力で婿どのの胸の中に引き寄せられる義母。肩をだかれると婿どのの顔が近づいてくる。唇がかすかに触れ合ってしまう。しかし・・。

「ダメ・・だめよ」

義母は顔をそらす。

「だめ・・こんな事・・娘が知ったら」

しかし、そう言われても婿どのは義母を抱き寄せたまま離さない。婿どののパジャマの前はすでに固く反り返りテントを張っている。その先端が義母の太ももの辺りに当たっている。

「お義母さん・・俺・・俺・・」

そう言ったまま婿どのは後が続かない。義母はそんな婿どのが可愛そうに思えてくる。きっと夜は我慢しているだろうし・・若かいのだし働き盛りでストレスもあるだろう、やっぱり溜まってると辛いわよね。

義母の手が自然と婿どのの一物の先端を触る。パジャマのズボンに手をかけるとそれを脱がす。前がりっぱに張り出したブリーフも脱がすとブルンと鎌首をもたげたそれが義母の手の中で踊った。

「敦子さんすごい!」

「フフっ・・これでも昔・・文学少女だったのよ」

敦子さんは私にアソコを悪戯されながら「義母と婿どの」のストーリーを紡ぎだした。

それと共にさっきから指を出し入れしていた花びらは愛液の量が尋常でないくらい増していた。蜜壺の中はまったく抵抗感がない程ぬるぬるになっている。

「ねえっ・・もしあたしと〇〇君がお義母さんと婿どのだったら隠れてエッチな事するとしたらどんなところ?・・トイレ?・・、いや、お風呂?・・それとも押し入れとか・・うんん、それじゃ見つかっちゃいそうね・・」敦子さんはさらに話の続きを考えはじめた。

あの日から義母は婿どのの性欲を満たしてあげる為に精一杯の奉仕をした。結局あたしが婿どのの性欲を満たしてあげれば他で浮気してくる事もない。それにこの事はあたしがお墓までもっていけば娘夫婦も安泰だし・・とそんな理屈を作り上げて自分を納得させていた。

「ただいま帰りました・・お義母さん」

婿どのがキッチンで夕飯の支度をしている義母に帰りの挨拶をする。「すぐにお夕飯になりますからね、お風呂に入ってきて・・」義母は弾んだ声で婿どのを迎える。すると婿どの手が義母のスカートの裾から中へ入ってきて尻を触る「ああん・・だめよ・・今はだめ・・後で、あとでね」娘はここ2週間ばかり体調がすぐれず産科に入院中なのだ。その間婿どの世話は当然義母がする事になる。もちろんそれには夜の世話も含まれているのだが・・。

食事が済むと義母と婿どのの二人は待ちかねた様に家中の雨戸とカーテンを厳重に閉める。そしてやはり家中の灯を全て消し、室内を水も漏らさない漆黒の闇で包む。そして二人は全裸になって家中のいろいろな所で交わり愛し合うのだ。娘のいないこの間だけが二人が心ゆくまで愛し合える機会になる。こんな事は一生に一度訪れるだけでもう二度とないだろう。そんな思いが二人の気持ちをさらに高めている。この漆黒の闇の中で二人は完全に雄と雌になりきって心ゆくまで愛し合うのだ。

「うふっ・・なんだか・・たまらなくなってきちゃった」

私達は自分達が考えた架空の物語の「義母と婿どの」の様に熱く見つめあった。なにか今までとは違った思いが二人の中で目覚めたような、大げさに言えばそんな感じがした。

「お互いが見えない程真っ暗闇でするってどんな感じかしら・・その中で・・メチャクチャにされるって・・」敦子さんは自ら作った物語の世界に入り込んでしまった様に言った。私達はためしてみようかと話し合った。


しかし寝室の灯を消してカーテンを閉めただけでは漆黒の闇と言う訳にはいかなかった。街中にある敦子さんのマンションではどうしても街の灯が入ってきてしまうのだ。そこで一計を案じ二人で押し入れの中に入りふすまをピタリと閉めてしまう事にした。すると狭いながらもそこには漆黒の闇が生まれた。

その中では確かにお互いの顔さえ見えない。しかしそれは見えているよりも新鮮な感覚だった。お互いの体に触れ合いそこから様子を想像する。視覚情報の消えた世界ではそうせざるを得ない。すると今まで気が付かなかった想像の世界が眠りから覚め拡がっていくのだ。

「ねえ敦子さん・・続きを話して」

私はそう促し狭い押し入れの中で敦子さんに体を密着させ再び物語の世界へと没入した。


漆黒の闇の中での二週間は義母と婿どのにとってあっと言う間の日々だった。昼間、家に戻った娘が体を休めて横になっている間も義母は、調理、洗濯、掃除と家事に忙しく動きまわっていた。しかしそんな合間にもふと思い出すのはあの日々の事だった。


洗面所の僅かに反射する鏡の前で婿どのに後ろから犯された事。庭に面した縁側で婿どのの一物を必死でしゃぶった事。そして縛られる為に義母が自らホームセンターで買い求めた紐で自由を奪われた時のあの初めて味わう快感。それらを思い出すと昼間でも義母の花びらはぐしょぐしょに濡れてしまう。


あの様な夜をたとえ一夜でもまた持てたら。義母はもう押さえられない程の淫靡な幻想が自分を支配し始めていると感じていた。婿どののためだったらきっと自分はどんな事でも受け入れるだろう・・そんな気がしてならないのだ。

「おかえりなさい」

身重の娘に変わって婿どのを玄関に迎えに出る。「もう眠ってますか」婿どのは訊く。娘は寝室ですでに横になっている・・。そう話すと待ちかねた様に婿どのの手が義母のスカートの中に入ってくる。いけない事とはおもいつつ義母は抵抗もせずにその手を受け入れてしまう。「お義母さん・・少しだけ」婿どのの手がパンティの脇から中へ侵入してくる。義母はなされるがまま、いやむしろ自ら足を開いて、婿どの手が自分の花びらを悪戯しやすい様に誘う。

「ねえ・・しゃぶらせて・・」

敦子さんはたまらないと言った様子で私の先端を探しはじめる。下腹部に唇が触れると陰毛をかき分け、舌の先で竿の根本から先端へと筋を描く様に舐め上げる。そして亀頭を口に含むと、優しくほのかに温かい敦子さんの口腔がそこを温める。

(あっ・・気持ちいい・・)舌先が亀頭の割れ目を左右に押し広げ中に押し入ってくる。私はたまらなくなって敦子さんの太ももあたりを抱きしめた。そしてその中心にある花びらを探した。

待っていた様に敦子さんは足を拡げる。私はそこに顔を深く沈め舌先を尖らせて花びらの中心に深く挿入する。「あうっ・・」亀頭を咥えた敦子さんの口から呻く様な声が聞こえる。

誰にも知られない押し入れの暗闇。その中で互いの性器を求め合う。そんな行為に夢中になってしまった私達。それは「義母と婿どの」と言う物語を得てさらに彩られたのだろうか。少なくともそれは媚薬の様な効果を発揮しているようだ。

「なんだかもういっちゃいそう」

敦子さんは私の一物を咥えたままそう告げた。そしてその快感の曲線は一気に頂点を迎えてしまう。

「ああっ・・ダメ・・やっぱり、いく」

突然の雷鳴が闇を切り裂く。敦子さんの太ももが私の頭を強く締め付ける。

「ああっ・・」

私は彼女のエクスタシーを体で感じながらほぼ同時に射精した。私にとってもそれは解放感に満ちていた。漆黒の中、まるで自分の意識が肉体を離れ永遠の中に投げ出された様なそんな不思議な感覚に襲われた。

「義母と婿どの」どうやらこのストーリーは敦子さんにとっても私にとっても手放せない物語になったようだ。