その日、講座で静江さんと顔を
合わせる前、私は胸苦しいほど悩んでいた。

自作の官能小説などメールで送って、
いくら送ってくれと言われたからと言って
内容を読んだら、もう口もきいてくれないだろう・・。
そんな思いが心をよぎったからだ。

しかし、講座にやってきた静江さんは
いつもと変わらない様子だった。

程なく講義が始まった為、
小説の事など何も触れる間もなかったが
私はその様子に内心ほっとした。

やがて、講座が終わると私と静江さんは
いつもの様に駅まで歩いた。
お互いあの小説の事を意識しているのか
普段より会話は少なかった。

もう少しで駅と言うところまでくると、
静江さんは思い詰めた表情になった。

そしてバックの中から一枚の封筒を
取り出し私に差し出した。

「後で読んで・・・」
静江さんは早口でそう言うと、
その日はそこで立ち去ってしまった。

私もあまりの突然の出来ごとにただ呆然としていた。
しかし、どんな内容か書かれているのか、
早く読みたくて近くの喫茶店に入り封筒の封を切った。



橋本様
先日はメールありがとうございまいました。
小説読ませて頂きました。
正直、とても刺激的な内容だったので少々動揺しています。

特に主人公の女性が私と同じ様な年代だった事も
あるのでしょう。
その女性が相手の男性によって急速に性に目覚めていく過程は
まるで自分の事の様に感じてしまいました。

私は今まで自分の年齢を考えると、
もう女としては下っていくばかりだろうとマイナスの事
ばかり考えていました。

でも、橋本さんの小説を読んで、

それは逆で、これからはもっと自由に生られるのかもしれない。
好きな様に生きていいのかもしれない。
そんな感想を持ちました。

それに、以前お話しました様に、
主人が亡くなってから5年が過ぎ、

そろそろ、私も自分の新しい生き方を探しておりましたので
これはチャンスを貰ったと思いました。

人間は男も女もなく
普段は自分を装っているのだと思います。
一皮むいてみれば皆同じ。

どうか、小説と同じ様に私を変えて欲しい・・
そして女としての真の歓びを感じてみたい。
恥ずかしいのですが、もう自分を抑えられません。

こんな事とても口に出せないと思いましたので
お手紙してしまいました。

静江


手紙には、静江さんの携帯番号も書かれていた。
私は喫茶店の席で私こそ、もう自分を抑えられないと思った。

その後すぐ、静江さんと連絡を取った。
お互い電話ではぎくしゃくした話しかできなかった。

(小説と同じ様に私を変えて欲しい・・・)
静江さんの手紙の文章が頭の中で反響した。
私は思わずあるお願いをしてしまった。

そして電話を切った時私の一物はズボンの中で
痛いほど勃起してしまった。

カルチャー講座で出会った塾女3につづく


官能小説ランキング